弁護士コラム NO.003

コラム

                                コラムNO.003
                              令和8年 月 日発信
一般社団法人 
日本ソーイング技術研究協会 弁護士コラム  
 顧問弁護士 浅野康平 

外国人の交通事故 —適切な補償を受け取るために—
外国人の皆様が日本で安心して就労を継続できる環境づくりは、受入れ企業の最重要課題の一つです。しかし、万が一交通事故に遭った際、本人や企業が「外国人だから」「実習生だから」「よくわからないから」という理由で、低い補償額で和解してしまうケースがありえます。今回は、実務的な観点から、適正な補償を受けるために知っておくべきポイントを解説します。

1. 交通事故の補償の考え方
まず大前提として、交通事故の損害賠償において、外国人であることを理由に賠償額が低く算定されることはありません。日本国内で発生した交通事故については、原則として日本の法律が適用され、治療費や入通院慰謝料については、日本人と同様の基準で算定されます。したがって、「外国人だから」という理由で低い補償で諦める必要はありません。
2.外国人特有の問題
一方で、死亡や後遺障害が残った場合の「逸失利益(将来得られたはずの収入)」や慰謝料の算定においては、在留資格に基づく「日本での就労の蓋然性」の有無により賠償額が減少する可能性があります。そのため、賠償額の算定にあたっては、日本での就労の継続性や更新の蓋然性が、争いになることがあります。
3. 示談金額の妥当性
相手方保険会社が提示する示談金額は、保険会社の基準に基づいたものです。実は、外国人に限らず、日本人であっても、被害者の状況を十分に考慮しているとは限りません。弁護士が介入することで、特に入通院慰謝料をはじめとする慰謝料については、当初の提示額から賠償額が大幅に増額される事例が多くあります。まずはお近くの弁護士へご相談ください。

参考資料
『交通事故損害関係訴訟〔補訂版〕』青林書院84頁、『簡易裁判所における交通事故訴訟と和解の実務』 新日本法規出版178頁


自動車シート縫製業に携わる皆様に参考にして頂く資料です。
これからも随時お役に立つ資料などを掲載して参ります。